Sportsの窓

EPISODE10

 【2】


〜Premiaship Rugby 2009-2010

プレミアシップラグビー 2009−2010 観戦記







現在北半球のラグビーは南半球勢とのテストマッチが終わり、
代表選手それぞれが地元クラブチームに戻り
そのクラブ同士の試合が盛んになっています

イングランドではプレミアシップラグビー、
ウェールズ、スコットランド、アイルランドのケルティックラグビーと・・・

圧倒的な強さを見せた
今回の南半球チームの中でもオールブラックスことニュージーランドチームは
不動のワールドランキング1位は当分揺るぎなく、
実際は今年晩秋後の世界ランキングは下記の通り
南半球勢が今年春からの上位3位を占めています
(2009年12月現在)

1 (1) NZL NEW ZEALAND 91.68
2 (2) RSA SOUTH AFRICA 88.59
3 (3) AUS AUSTRALIA 85.55
4 (5)  IRE IRELAND 84.58
5 (4) FRA FRANCE 82.40
6 (7)  ENG ENGLAND 80.72
7 (8)  ARG ARGENTINA 80.55
8 (6) WAL WALES 79.89
9 (9) SCO SCOTLAND 76.59
10 (10) FJI FIJI 75.91
11 (12)  ITA ITALY 72.62
12 (11) SAM SAMOA 72.09
13 (13) JPN JAPAN 70.59

その上位3位の南半球のあとは
北半球ではアイルランドがなんと4位に浮上、
その後はおフランス、イングランドと続きますが、
その6位イングランドと1位ニュージーランドとは
すでにポイントとしては10ポイント近くも差がついています
これを埋めるにはどのくらいの時間が必要なのか・・・
今のところは創造がつきません・・

北半球はこれからの来年明け2月から始まる六ヶ国対抗戦で
その試合参加の六ヶ国については順位の変動があるでしょう
(しかし、昨年に続きアイルランドが2連覇する可能性も充分にあり、
1位から4位までは変わらないかも)




そして、気づけば我が国日本も13位と良い位置につけているとは言え、
嫌らしくしつこいくらい忘れられない154点という大差をつけられた試合から
(もうすでに10年以上前のこととは言え世界ワーストランキングは変わらない
この順位ではまだこれが何時まで続くか・・・?と疑ってしまう私・・・

そして、16位につけているアメリカのヘッドコーチには
今の4位最強アイルランドチームの基礎を作ったとも言える
エディ・オサリバンが就任しているので
2年後のワールド・カップでの飛躍が楽しみでもあります


元アイルランドヘッド・コーチだったオサリバン監督
元アイルランドヘッド・コーチだった
オサリバン監督



しかし、今はしばしその国際大会は小休止


イングランドでは試合数が多くなる来年の六ヶ国対抗戦へ向けて、
また2年後のワールドカップへの代表選手の座を確保するための
数々の試合を戦うクラブチーム対戦を十二分に楽しむ季節になります

どうぞ、その試合観戦記をご一緒にお楽しみいただければ幸いです









【プレミアシップラグビー観戦記】

後半戦


     VS    
         バース    対     レスター・タイガース


2009年 09月26日
(観客動員数 11,700名)

18:05 キックオフ
場所 レクレーショングランド(Recreation Ground )

Bath club ground

20-20


クラブチームの試合で面白いな〜と
いつも思うのは
日本のラグビーのように企業がバックについているのではなく
常にそのクラブのある場所、
街の人々が1番の“スポンサー”であること

どちらかと言うと日本のプロ野球のように
“地域密着型”

それぞれに趣向を凝らしたチームならではの
試合以外での楽しみも沢山あります

ここバースでは試合前にスタジアムの裏手に
こんな遊べる遊具を設置


遊戯具
大人も子供も参加できる遊戯具

余りよく観ていなかったので
どのように遊ぶのかが解りませんが、
大人も子供も一緒に参加できて男性陣には人気がありそうでした


また、試合の前半戦と後半戦のハーフタイムには
こんな用具もグラウンドに登場しました


ハーフタイムに出てきた遊戯
ハーフタイムに出てきたゲーム

観客の何人かが出てきて
黄色い1パイントビアに似せたこのビニール風船(?)の天辺へラグビーボールを蹴って
その中に入ればバースチームの記念品をもらえるゲーム
難しいので結構惜しいボールには歓声が上がり盛り上がりも見せていました
女性、男性共に一人くらいづつ入って大きな声援を受けて、
子供達も楽しそうに観ていました


さて、そんなつかの間のお休みでビール片手にスタンドに戻る人々の動きに
いよいよ折り返し後半戦キックオフが近いことを知りました

わずか1点差
程なくしてグラウンドでのゲームが終わり、
14-13
いよいよその後半戦が始まりました

始まる後半戦 地元バースのキックオフから

左:後半戦が始まる選手がグラウンドに出てきたところ
右:地元バースの10番リトルのキックオフから後半戦の始まりに旗が振られる



初秋の英国では陽が落ち始めたら
その速さは本当に驚くものがあります

先ほどまでは正面がまぶしく手をかざしながらの観戦でしたが、
見る見る内に暗いなりかけてきました

試合は後半開始4分にタイガースの反則で
バース10番リトルのペナルティキックで3点入り、
17-13

ちょっぴりリードしたことに地元の応援が強くなってきます



バースへのペナルティキック
タイガースの反則からバースはペナルティキックを与えられる


その後活躍していたリトルの危険なタックルによる10分間のシンビン退場により
試合が硬直していきます


陽の沈むグラウンド タイガースのラインアウト

左はバースは攻め込んでタイガースの陣営でスクラム
右は蹴ったボールによりバース陣営まで攻め込んだタイガースからのラインアウト



シンビンにより1名足りないバースは
何としてもここで点数を入れられるわけには行きません

しかし、何とかその10分間を早々に切り抜けたバースは
安心する間もなく
両チーム共に選手交代を忙しく行い、
キックの応酬が少ない力と力のぶつかりあい
私の好きなフォワード戦となってきました

モールで押すタイガース モール内での反則バース

左はバース陣営に深く入り込んだタイガースフォワードが
モールでじわじわと押し込んでいきます

右はそのモールで耐え切れなくなったバースのフォワードが反則

再度タイガースのフォワードはスクラムを選択します
ここで一気にトライを狙い、
バースのフォワードを潰そうというタイガースの自信を持ったフォワード、
スクラムの選択でした

力で押し込むタイガースフォワード 何とか持ちこたえるバースフォワードとのスクラム

しかし、力で押し込もうとするタイガースのフォワードに
何とかスクラムを崩さずに持ちこたえるバースフォワードは
主将クレッセンスがボールが出るのををじっと見守っています

そして、バースフォワードが逆にタイガースフォワードを押し返し、
タイガースフォワードは耐え切れずスクラムを崩し・・反則

このフォワード戦の攻防に地元バースからは大きな拍手が沸き起こります


タイガースフォワードの反則に沸きあがる

一旦はタイガース陣営へボールが蹴りだされ、
再び中央での仕切り直しとなりました

しかし、その後試合時間残り5分を切ったところでするするとタイガースのバックスセンター
猛反撃のタイガースは右隅にトライ!


タイガースのトライ
タイガースの後半残り5分でのトライ
タイガースファンが立ち上がる



試合時間75分を切ってからのこのトライは
後半始まって4分後に交代出場していた
イングランド代表10キャップを持つセンターのヒッキスから

そのトライ後のコンヴァージョンも見事に決まり、
タイガースが逆転の17-20とします

残り時間を3分を切ったところで
今度はタイガースが反則

今日はイエローカードで退場したり、
それまでに4つのペナルチィゴールを一つも外すことなく点数を稼いでいた
バースの10番リッキー・リトルが最後のキック

大きな3点を加えて同点に追いつきます

20-20


同点となったバーススタンド席
リトルのペナルティゴールが決まった瞬間
バースの観客の喜びようは凄い!


今日は一人でその右足から
15点を蹴りだしたバース10番のリトルへの拍手は最後選手交代をした
タイガースの選手の名前が聞こえないくらい
地元声援は大きなもの


試合終了
試合終了 同点にて

その後残り2分はあっと言う間に過ぎ
とっぷりと暮れて真っ暗になったスタジアムでの接戦はドローという
同点にてノーサイドとなりました




私の両隣のそれぞれのチームを応援していた人たちから
“良い試合だったね!”とにっこり顔を見合わせて立ち上がり、
試合終了とグラウンドから消えていく選手達を見送りました

これからは家路や試合後のパブへ急ぐこととなります

さあ、それからスタジアムは大きく動き、
たっぷりと試合を堪能した観客10000人以上の
出口へと混み合う時間となりました



出口へと混み合う
出口へ殺到する観客


このスタジアムは鉄道駅からも通常に徒歩でも15分もかかりません
ですから、その駅へ向かう人々の流れに乗れば目的の駅に到着するでしょう

しかし、混雑する出口への道のりが長く
寒いはずの気温でしたが・・・
夜の街で明るく照らし出されているバースの街と
ラグビーが好きな人々に囲まれての家路は何故かうきうきしたものでした


夜のバース
夜のエイヴォン河の水面に浮かぶ街の光とバース寺院




本っ当にラグビーって本当に愉しい!


さあ!また来るぞーーっ!!






【おまけ】


現在イングランドのプレミアシップの順位は下記のようになります

現在12月5日までにラウンド5まで試合を行っています
丁度来年の5月決勝戦10ラウンドの中間まで来ました

北半球の六ヶ国対抗戦が行われる間も試合は代表選手が欠けた状態で進みます
しかし、その代表に選出される要素の一つとしても
このシリーズは選手たちには大きく左右される大事なマッチです

来年の代表選手には最終的にはどの選手が選ばれるのかが私達にとっても楽しみなこと

そして、長丁場のこのシリーズを最後に制するのはどのクラブチームになるのでしょう
来年明けの後半ラウンドはどのように動くことでしょう



1  No change (1)     Saracens
2  No change (2)   London Irish  London Irish
3  No change (3)   Northampton Saints  Northampton Saints
4  No change (4)   Leicester Tigers  Leicester Tigers
5  No change (5)   London Wasps  London Wasps
6  Up (7)   Harlequins  Harlequins
7  Down (6)   Newcastle Falcons  Newcastle Falcons
8  No change (8)   Sale Sharks  Sale Sharks
9  No change (9)   Gloucester Rugby  Gloucester Rugby
10  No change (10)   Worcester Warriors  Worcester Warriors
11  No change (11)   Bath Rugby  Bath Rugby
12  No change (12)   Leeds Carnegie  Leeds Carnegie









今期も可能な限り試合には出向きたいと思います
そんな観戦記を少しでもご一緒に楽しんでいただければ嬉しいです

プレミアシップの観戦チケットは可能な限り前もってご用意されることをお薦めします




どうぞ、ラグビー観戦にご興味がおありになる
皆様からのご意見・ご質問をお待ちしております





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